なぜエービーシー・マートはこれだけ躍進したのか[財務分析1]

こんにちは、モンエナです。

 

今日は靴業界の中でも一人勝ちが続く株式会社エービーシー・マート(以下、ABCマート)について見ていきましょう。

 

まずは同業他社との規模感を比較してみましょう。

下記は各企業の最新の決算情報から算出しています。

 

ABCマート/チヨダ/ジーフット/リーガルコーポレーション/ヒラキ

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ジーフットの売上高と経常利益は個別財務諸表のデータを使っています。

 

規模感でも圧倒的ですし利益率もダントツで高いです。

 

成長性に関しても見ていきましょう。

 

売上高の成長率です。

6期前を基準として当期までの売上高の成長率の推移を出してみたいと思います。

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ABCマートのみが成長しているのがわかります。(+44.8%)

 

それではなぜABCマートがこれだけ躍進しているのか分析していきましょう。

 

まずは有形固定資産にどれだけ投資を行ってきたかをみていきましょう。

減価償却費(以下DEP)は既に所有している有形固定資産(以下FA)に対する経常的な費用であるためDEP以上にFAへの投資が行えていればその企業が事業投資に積極的であると言えます。

 

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ABCマートはほぼ全ての会計年度でFAの取得額がDEPを超えています。

これが売上高拡大の要因の一つだと考えられます。

 

次に店舗数の推移です。店舗数の情報はABCマートのIR情報のFACTBOOKから見つけることができます。

www.abc-mart.co.jp

 

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店舗数と売上高は大きく関連しているようです。

 

毎年安定して高収益を実現し、そこで得たキャッシュを事業投資(店舗数の拡大)に回したことで着実に売上高が伸びたと結論づけることができるでしょう。

 

コロナショックで店舗での販売に大きな影響を受けていますがこれだけ盤石であればなんとか切り抜けることができるのではないでしょうか。

 

今回は少し雑な分析ではありますが今後は経営戦略のような定性的な分析やセグメントごとの分析なども行っていきたいと思います。